【読書感想】大人のための国語ゼミ
ブログやnoteを漁って読んでいると「あ、この人の文章うまいな」って思うことがたまにあって、文章力って改めて大事ダナーと思った。私も文章力について考えようと思い色々本を調べてるうちに辿り着いたのが、矢野茂樹さん著の大人のための国語ゼミだ。
- 作者:野矢 茂樹
- 発売日: 2017/08/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
この本のいいところは章ごとにちゃんと演習問題があって、コツを読んで終わり!とならずに学んだことをすぐ問題で確認できる点だ。後は、学生の頃から国語の勉強に抵抗があって、日本人なんだから読めばなんとかなるでしょで学生生活を乗り切った人間なので、今更何したら文章力がつくのだろうかと思っていたから単純にタイトルで選んだってのもあった。
読んでみて基本的に大事なことは各章の目次なのだが、全部まとめるとキリがないので特に大事だと感じたものを3つピックアップしてまとめていこうと思う。
- 相手のことを考える
- 言いたいことを整理する
- 適切な質問、反論をする
相手のことを考える
文章や会話をする上で相手のことを考えるのは当たり前だろと思うかもしれないが、この本が提唱しているのはちゃんと相手の知識や環境などに寄り添ってますか?ということだ。
例えば、小学5年生に消費税について説明する際、商品を買う際にその商品の価格(原価)の10%を追加で払う税金のことだよと説明しても、「どうして余計に支払わなくちゃいけないのか?」や「そもそも税金ってなに?」など相手がよくわかっていないとさらに深掘って説明しないといけなくなってしまう。そのため、相手により理解してもらうためには税金についてなども説明したり、もっと相手に寄り添って分かりやすく説明する必要がある。
つまり、相手のことを考えることができるというのは分かりやすく説明することができるということであり、相手のことを考えると適切な言い換えなどを意識するようになるため、必然的に国語力が上昇していく。
本著ではこれを正のスパイラルとして説明している。流れとしてはこんな感じ。
相手のことを考える+国語力が向上する
⇨相手のことがもっと考えやすくなる⇨さらに国語力が向上する
言いたいことを整理する
読み直して理解されるのではなく1度で理解される文章を書きたい!って思うけど難しいし、ブログとか読んでて実際にできていないなって思う人もいる。そんな時に気をつけるのが以下の3点だ。
- 余計なことは書かない
- 話題ごとにまとめる
- 書く順序に注意する
2は書き進めるときにどんな構成にしようかなというので意識し、1,3は書き終わったときに確認用で使うイメージ。ひとつひとつはそんなに難しくないけど、ちゃんとできてる人って意外と少ないなって思う。
適切な質問をする
個人的には一番国語力を求められる項目だと思う。なぜなら、相手の話を理解し要点をまとめた上で質問しないと本質的な質問にならないからだ。いい質問をするためには文章を読んだときに普段から疑問に思って質問をすることが大事。悩んだら5w1h(why,what,who,when,where,how much)を満たしているかで質問を考えると即興で出やすくなる。
また、本著では質問は大きくこの3つに分けられると述べている
1.情報の問い
相手の言動に対して「もっと知りたい」と思ったら尋ねる質問。内容の深掘りや関連するものを知りたいときなどに使用する。
2.意味の問い
相手の言動に対して「意味がよくわからなかった」と思ったら尋ねる質問。語彙不足など自分に非がある場合もあるが、臆することなく質問するか曖昧な表現を使っていたらそれについて明確にしてもらいたいときに使用する。
3.論証の問い
相手の言動を理解するのと納得するのは別であることを踏まえ、納得したいときに尋ねる質問である。例を挙げると
公園にゴミ箱はおくべきではない
という議論がなされた時、納得できない場合に「なぜそう考えるのか」の根拠を尋ねる。理解する上でのポイントはその意見について「独断的なところはないか」や「飛躍している部分はないか」を確認することが重要。
その他の項目はこんな感じ。気になったら読んでみてほしい。
- 事実なのか考えなのか
- きちんとつなげる
- 文章の幹を捉える
- そう主張する根拠は何か
- 反論をする